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ベッコウトンボ 長崎で絶滅?生息地の環境変化影響か

 環境省の国内希少野生動植物種に指定されているベッコウトンボが、長崎県ではほぼ絶滅したのではないか-。県内唯一の生息地として知られる西海市崎戸町で個人的に調査を続けていた元県生物学会会長、池崎善博さん(80)=長崎市若竹町=は「ここ数年ベッコウトンボの姿を確認できない」と危惧している。

 池崎さんによると、ベッコウトンボはシオカラトンボほどの大きさで、体長約4センチ。透明の羽についた褐色の斑紋が、べっ甲模様に似ているという。海岸付近の池に生息し、かつて国内の広い範囲で飛んでいた。

 しかし、池の埋め立てなど生息環境の変化に伴い、その数は減少。環境省や県のレッドリストに絶滅危惧IA類(ごく近い将来における野性での絶滅の危険性が高いもの)として掲載されている。

 「県レッドデータブック2011(普及版)」や池崎さんによると、県内ではかつて西彼時津町、壱岐市、諫早市、対馬市、松浦市、佐世保市で確認されていたがこれらの場所では既にほぼ絶滅。同書には「西海市でわずかに確認されているものの危機的な状況」と記されている。

 その場所は、池のそばに遊歩道が整備された崎戸町のトンボ公園。希少な昆虫が生息する池として県の解説板も立つ。池崎さんは毎年、成虫が飛ぶ5、6月に同公園で調査してきたが、2011年6月に雄2匹を目撃して以降、確認できていない。同公園を管理している市も「ベッコウトンボの生息の有無については調査しておらず、分からない」という。

 姿を消した要因について▽コイなど水中の生き物が幼虫を捕食▽産卵する水面に浮草が繁茂-などが考えられるという。池崎さんは昨年、同公園のベッコウトンボについて「絶滅と判定してよいものと思われる」と、自身が所属する日本トンボ学会の連絡誌に掲載した。「清楚(せいそ)で美しいトンボが長崎県からいなくなるのは大変残念」と肩を落とす。一方、残存の可能性に望みをかけ「県でも同公園一帯の調査をしてほしい」と訴える。

 国内希少野生動植物種のベッコウトンボは採取が禁止され、「種の保存法」に基づき鹿児島県薩摩川内市の藺牟田(いむた)池が「生息地保護区」に指定されている。

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